腹部形成術(タミータック)とは:手術内容と注意点

腹部形成術(一般に「タミータック」と呼ばれる)は、腹部の皮膚のたるみや余分な脂肪、筋膜のゆるみを改善する目的で行われる外科処置です。妊娠や大きな体重変動の後に生じる腹部の形状変化に対して適用されることが多く、単独で行われる場合もあれば脂肪吸引と組み合わせられることもあります。手術の範囲や切開の位置、回復期間は個人差が大きいため、術前の評価と十分な説明が重要です。 この文章は情報提供を目的としており、医療アドバイスを意図するものではありません。具体的な診療や治療については、資格のある医療専門家に相談してください。

腹部形成術(タミータック)とは:手術内容と注意点

手術(surgery)の一般的な流れ

タミータック手術の基本的な流れは、術前評価、麻酔、切開、余分な皮膚と脂肪の除去、腹壁筋膜の引き締め、皮膚の再配置と縫合、術後管理です。全身麻酔で行われることが多く、標準的な手術時間は数時間に及ぶことがあります。入院が必要な場合や日帰りで行えるケースは、手術の範囲や患者の健康状態によって変わります。術前に持病や服用薬の確認、喫煙の有無などが評価されます。

タミータック(tummy tuck)とは何か

タミータックは腹部の皮膚と脂肪を切除し、腹直筋などの筋膜を縫い縮めることで平坦な腹部を目指す外科的処置です。部分的に皮膚がゆるんでいる場合は小さな範囲の「ミニタミータック」、広範囲にわたる場合は「フルタミータック」など異なる技法があります。傷跡は通常下腹部に沿って横に残りますが、下着や水着で隠れる位置に設計されることが多いです。術後の腫れや浮腫は数週間から数か月で改善します。

アブドミノプラスティ(abdominoplasty)の適応と制限

アブドミノプラスティの適応は、皮膚弛緩、腹部の脂肪蓄積、腹直筋離開(腹壁の緩み)などが主です。一方で著しい肥満、心肺機能不全、皮膚の感染、妊娠予定のある方などは手術の適応が制限されることがあります。理想的には安定した体重に達してから検討するのが望ましく、喫煙は創傷治癒のリスクを高めるため術前に中止することが推奨されます。術後に妊娠すると手術効果が変化する可能性がある点も説明されます。

美容外科(plastic surgery)としての位置づけ

腹部形成術は広義の美容外科の一部であり、単に見た目の改善だけでなく機能的な改善(腰痛の緩和や姿勢の改善)を目的とすることもあります。資格や経験のある形成外科医や美容外科医による評価が重要で、術前の写真撮影、期待値のすり合わせ、合併症や回復期間の説明が行われます。術後のケアには創部の管理、圧迫衣の着用、運動制限などが含まれます。

ボディコントゥアリング(body contouring)との違い

ボディコントゥアリングは身体各部位の形状を整える総称で、腹部形成術はその一手段にあたります。ボディコントゥアリングには脂肪吸引、胸部や太もも・腕の皮膚切除などが含まれ、患者の希望や体の状態に応じて複数の手技を組み合わせることがあります。例えば、タミータックに脂肪吸引を加えることでより滑らかな輪郭を得られる場合がありますが、合併症リスクや回復期間が延びる点は考慮が必要です。

結論として、腹部形成術(タミータック)は腹部の外見改善と機能改善を目的とする外科手技であり、適切な適応評価・術前準備・術後管理が重要です。手術には瘢痕、感染、血栓、創傷遅延などの一般的な外科的リスクがあるため、十分な説明と信頼できる医療者によるフォローが必要です。個別の状況に応じた詳細な相談を行い、期待とリスクを整理することが手術成功の鍵となります。